チューリッヒのネット専用自動車保険はダイレクト自動車保険の中でも、比較的保険料が安く、事故時の対応力などの評判も良いので、加入を検討している方も多いのではないでしょうか?
私も自動車保険の一括見積もりサイトでたくさんの会社から見積もりが来た中から、チューリッヒのネット専用自動車保険を選びました。
もちろん保険料は各会社が独自に設定しているので、年齢や車種など様々な条件で変わってきますが、一般的にチューリッヒ、SBI損保、イーデザイン損保、アクサダイレクト、三井ダイレクトあたりが安くなりそうな感じ。
CMでよく見るソニー損保は他のダイレクト自動車保険に比べるとやや保険料が高く、セゾンおとなの自動車保険は名前の通り、年齢が上がると割安になってきますね。
保険料を簡単に比較したいなら自動車保険見積もりのインズウェブがオススメです。
「チューリッヒのネット専用自動車保険に決めたけど、補償内容とか特約って何を選んだらいいんだろう?」
そう考えている方に、自動車保険の一般的な選び方を解説していきます。もちろん基本的な補償内容は各保険会社共通なので、チューリッヒ以外の保険会社でも参考にして頂けると思います。
チューリッヒ自動車保険の補償内容の選び方
対人賠償保険
対人賠償保険とは自動車事故で他人を死傷させてしまった時に、損害賠償を保険会社が支払ってくれる保険です。自動車に乗るには自賠責保険への加入が義務付けられているので、自賠責保険で支払われる限度額を超えた分を補償してくれるってこと。
自動車に乗るのなら任意保険に入るのがほぼ当たり前。それは人や物を壊してしまった時に何千万円、場合によっては何億円というお金が必要になるからです。普通の人には絶対に払えませんよね。
対人賠償保険は必ず無制限で入ること。改めて言うまでもないですが、これは「任意保険に入ること」と同じくらい、常識的なことです。
対物賠償保険
対人賠償保険とは自動車事故で他人の物を壊してしまった場合の損害賠償を保険会社が支払ってくれる保険です。結論を先に言いますと対人賠償保険も無制限でつけるのが当たり前。
対人賠償保険は無制限でも対物賠償保険は3,000万円などで入っている人もいるようですが、万が一の事故の場合にはまったく不十分です。考えられる例では電車との事故。過去には1億円以上の損害として認められたこともあります。
保険に入る一番の目的は「万が一何かが起こってしまい、自分の資産では絶対に支払えないお金を請求された時に自分の人生を守るため」です。対人・対物無制限は必ずつけましょうね。
対物超過特約<対物差額修理費用補償特約>
対物超過特約は事故を起こした時に、相手方の車に時価額を超える修理費用が発生したときのための補償です。これだけではちょっとわからないですよね。「対物賠償保険が無制限だからそれで払ってくれるんじゃないの?」って思ってしまいます。
実は対物賠償保険は法的に責任のある金額しか払ってくれません。法的に責任のある金額というのが車の時価額のこと。例えば200万円の新車を買ったとしても10年後には年式が古くなって、車の価値って20万円くらいになっちゃいますよね?
その車が停車中に追突事故に遭って、修理費用が50万円だったとしても、相手側の保険会社は時価額である20万円しか法律上支払う義務がないのです。これが結構トラブルの元になっちゃうんですよね。
上記のケースのように10:0で相手側が悪いケースなのに修理代が全額出ず、30万円が自己負担になったら気分悪いですよね?しかしこの時相手側が対物超過特約に入っていれば、時価額を超えた分の修理費用も補償されます。
逆に自分が停車している車に追突してしまい、全損事故(車の時価額を超える修理費用が発生する事故)となってしまった場合、対物超過特約が役に立ちますね。
さて、対物超過特約は必要か、不要か、どちらだと思いますか?一般的には対物超過特約は多くの人がつけているポピュラーな特約です。でも内容だけを見ると私はつけなくても良いのかなと考えてしまいます。正直修理費用の超過分の数十万円くらいなら自分の貯蓄から出せば良いような気がするし・・・。
ただし!対物超過特約はそれほど保険料は高くならない割に、事故した時に必要になることも多いので、結局私はつけています。多分そういう気持ちで付けている人も多いんだろうな。
ちなみにチューリッヒは対物超過特約で支払限度額を50万円と無制限の両方から選べます。時価額の高い車に追突してしまった場合など、50万円では足りないこともあるかもしれないので、どうせ入るなら無制限で良いような気がします。
人身傷害保険
上の3つはすべて相手方への補償でしたが、人身傷害保険は自分側への補償です。具体的には契約車両に搭乗中、自動車事故によりケガ・死亡してしまった場合に、治療費や逸失利益(もし生きていたら将来に得ることができたはずの利益)が補償されます。
また、人身傷害保険のカバー力は広く、契約者やその同居の家族が歩行中や自転車に乗っているときに起きた事故による損害も補償の対象になっています。結論を言うと人身傷害保険も契約必須ですね。
理由としては自分が後遺症が残ってしまうような大きな事故に遭った場合を想像してみて下さい。相手の過失が100%であれば、相手側の対人賠償ですべて支払われるのでお金の心配はいりませんが、過失割合によっては自身に数千万円もの負担がかかる可能性もあるわけです。やっぱりこういう人生が終わってしまうような金額の負担が生まれるリスクはなくしたいですよね。
では人身傷害保険の金額はいくらに設定するのが一般的なのか。やはり保険料が安く済むからか、基本的には最低ラインの3,000万円で設定している人がほとんどです。(私もそうです)
年収がいくらかによりますが、ほとんどのケガや休業補償は3,000万円あれば十分で、3,000万円を超えるような補償が必要な事故は死亡事故や重度の障害になった場合くらい。そしてその場合は生命保険や遺族年金などでカバーできますよね。
不運の事故による死亡・重度の障害が残るケガなどは自動車事故に限らず起こり得るので、生命保険でカバーするのが本来の保険の使い分けだと私は思います。人身傷害保険では自動車事故の場合しか補償されませんからね。
ということで、人身傷害保険は付帯が原則で、金額は3,000万円がオススメ。
人身傷害(搭乗中のみ補償)特約
人身傷害は搭乗中以外でも適用されることはさきほど書きましたが、この特約をつけると人身傷害保険を自動車搭乗中に限定することができます。補償内容が落ちるので、この特約はつけると保険料が安くなります。
この特約は迷うところですね。正直、自動車保険は自動車を運転している時のためにあると思っているので、付帯するのもありだと思います。実際のところ、自転車に乗っている時や歩行中の自動車事故なら、ほとんどの場合は相手側からすべての金額が補償されますもんね。
問題なのは相手から補償を受けられない場合。人身傷害保険はそういったケースの補填としての意味合いが強いんですよね。例えばひき逃げだったり、相手が無保険車で一文無しだったり・・・。このようなケースもきちんと想定して、ご自身が入っている医療保険等でカバーできるなら付帯して保険料を節約しましょう。
ただ、もし迷っているのならつけておいた方が良い保険です。値段の割にカバー範囲が広いので、家族が多い場合などは特に必要となるケースが多いかも。家に自動車が複数台ある場合に関しては、一台を除き、すべてにこの特約をつければオッケーです。人身傷害は契約車両以外での交通事故については補償内容が重複するからね。
無保険車傷害特約
この特約は自動付帯となっているので、迷うことはありませんね。内容だけ説明していきます。
名前の通り、自動車保険に加入していない車と事故をしたり、当て逃げなどの加害者が特定できない時のための保険です。この保険があれば無保険車ととの事故で死亡したり、後遺障害を被った場合に保険金を受け取ることができます。
注意しなければいけないのは、この保険は後遺障害や死亡した場合にのみ適用されるという点です。通常のケガの場合などは重症でそれなりにお金がかかったとしても補償はされません。
車両保険
ここからは自分の物、つまり自動車への保険になります。これをありにするかなしにするかは本当に状況と考え方次第になってきますね。私個人は高級車に乗っているわけでもないので、新車から5年くらい経ったら車両保険は外す、という感じです。
車両保険は契約している車が衝突や接触などによって損害を受けた時に、修理代などを補償してくれます。もちろんあれば事故時の数十万円の修理費用が補償されるのでとてもありがたいのですが、保険料金はかなりアップします。
これを外せば保険料が大幅に節約できるので、実際のところ半分くらいの人が未加入というデータもあります。車両保険はなかったからといって、何千万円という金額が必要になるわけではないので、リスクとして大きく見ていない人も多いということです。
車両保険に入っていたところで、実際事故にあったとしても、10万円程度の修理費用の場合、保険を使用しないことも多いんですよね。なんでかっていうと車両保険を使っちゃうと等級が3等級ダウンするから、翌年から保険料金が上がって10万円出した方が得になったりするケースもあるから。
安い修理費用は自腹で出して、あまりにも損害が大きい時は新しく車を買い直す、これくらいのドライな決意があれば車両保険はなしで全然問題ないといえます。
とはいえ新車を買ってすぐの場合などは車両保険を付帯することも多いと思います。ここからは車両保険を付帯する場合の車両保険金額、車両保険条件、特約を考えてみましょう。
車両保険金額は決められた範囲での設定になるので、保険料とのバランスを見て自分が良いと思う金額で設定すればよいので簡単ですね。車両保険金額は補償で支払われる金額の上限になるので、当然高くすれば保険料も高くなります。ただ、一番高い金額に設定しても保険料は大きくは変わらないので、私は上限設定で良いと思います。
チューリッヒのネット専用自動車保険では免責金額(自己負担額)は1回目5万円、2回目以降10万円で基本は固定ですが、1回目の事故にかぎり免責金額が0円になる免ゼロ特約があります。ただしこの免ゼロ特約はほぼ不要です。
基本的に自動車に大きな損害が出るのは、車対車の事故がほとんどです。そして車対車の事故なら多くの場合相手側にも過失があり、対物補償の保険金が貰えることになります。相手からの過失分が戻ってきた場合は免責額が差し引かれるので、そもそも免責金額の5万円も支払わなくて良いケースが実は多いんです。
一方的に追突してしまって相手の過失が0で、車両保険を使わなければいけないほど損害が大きい場合は役に立つ特約ですが、そのような場合はおとなしく5万円を支払えば良いんじゃないかなって私は思います。
車両保険条件はワイドカバー型(一般条件)と限定カバー型があります。限定カバーでは相手が不明の損害と車以外の物との接触で生じた損害が補償されません。ちょっと迷うところですよね。
「基本的に交通事故のほとんどは自動車との接触によって発生するので、限定カバーでも十分。あて逃げやブロック塀等に自分でぶつけてしまった場合はおとなしく自分で修理費用を払う」という考え方もできますし、「保険料が数千円上乗せされてもすべての損害をカバーしたい」と考える人もいるでしょう。
ただ実際は当て逃げされるような小さい損害では車両保険は使わないことが多いので、私は限定カバーで良いんじゃないかなと思います。ただし居眠り運転して壁に猛スピードで突っ込んだ場合などで車が大破したとしても修理代は出ないことになっちゃいますけどね。
地震等による車両全損一時金特約も必要性はないと思いますね。全損時(保険価額を修理費が超えた場合)しか補償されない、上限が50万円、地震・噴火・津波という低確率なもの対する補償。保険料が安ければまだ理解できますが、この内容の割に保険料は高めに設定されていることが多いので基本的にはつけない方向で良いんじゃないかな。
チューリッヒ自動車保険のその他の特約の選び方
弁護士費用等補償特約
色々な自動車保険の選び方サイトで言われていますが、弁護士費用等補償特約は入っておくべき特約です。
一般的に自動車保険は対人補償、対物補償など、加害者になった時に必要となるものが多いです。ただ自分が一方的に被害者になった時が問題。
例えば自分が過失0の追突事故に遭って、むち打ちなどの後遺症が発生した場合。自分の入っている任意保険では支払いが発生しないため、保険会社が示談交渉をしてくれません。自分で交渉して慰謝料・賠償金を妥当な金額で受け取る自信がある人は問題ありませんが、ほとんどの人は専門知識がないため難しいのではないでしょうか。
下手すると相手側の保険会社の言い分に押され、不当に賠償金を下げられてしまう可能性があります。かといって自費で弁護士に依頼すると、貰える賠償金よりも費用がかかることも・・・。弁護士費用ってとっても高額なんですよね。
自分は何も悪くないのにケガを負わされ、馴れない交渉に時間を取られた挙げ句、正当な賠償金も受け取れない。こんな最悪な事態を避けるためにも弁護士費用等補償特約はつけておくべきです。
あえて難点を言うなら実際に使う機会があまり多くない割に保険料が結構高いことですが、それを差し引いても必要性が高いということです。
原付特約
これはシンプルに原付を持っている人は絶対につけておきましょう。主契約の保険金額を限度に、対人・対物賠償が支払われます。自損事故については死亡1500万円、後遺障害2000万円を限度に保険金が下ります。
自動車を持っている場合、原付は非常に保険料が安く済むのでとっても経済的ですよね。もちろん原付がない家庭にはなんの意味もない特約です。
ロードサービス費用特約
他の保険会社ではロードサービスは最初から組み込まれていることが多いですが、チューリッヒのネット専用自動車保険では特約として用意されています。自動車が走行不能になった時やトラブルが発生した時にとても便利なので、もちろん入っておいた方が良い特約です。
ただJAF会員の方などで「ロードサービスいらないから安くして欲しい」という人も多いでしょうし、ロードサービスが外せるようにしてくれているのは被保険者にとってはありがたいですね!
ちなみに「自動車保険のロードサービスならJAF会員の年会費より安いし、JAFなんていらないんじゃない?」って思う人もいるかもしれませんがサービス内容の充実度が違ったりします。
またJAF会員の方は様々な施設で割引などが適用されるため、家族旅行などによく行く人はそちらで十分に元が取れることも多いんです。なので一概にどちらが良いとは言えないんですよね。
証券発行特約
保険証券を発行するかどうかの特約。基本的になくても問題ないのですが、会社への提出などがある場合はこの特約をつける必要があります。
チューリッヒのネット専用自動車保険は契約画面などもまったく印刷向きになっていないので、できれば発行してくれなくてもいいから自分でプリントアウトできるデータが欲しいところです。
地震等による死亡一時金特約
これははっきり言ってまったく自動車保険とは関係ない気がするんだけど・・・。
被保険者が地震・噴火・津波で死亡した場合に300万円が支払われます。確率的にも低いし、死亡保険金にしては金額が少ないですし、ちょっと微妙な特約かも。生命保険の内容などとあわせて検討してみて下さい。
運転者年齢条件、運転者本人・配偶者限定特約
運転者年齢条件は自分の年齢で設定するだけ。あえて言うなら配偶者にも保険を適用させる場合は、低い年齢の方に合わせる必要があるということくらい。
運転者本人・配偶者限定特約も自分の環境で設定しましょう。もちろん範囲が狭いほど、良い感じに保険料は安くなります。
自動継続特約、クレジットカード登録特約
この2つは固定で変更することはできません。自動継続に関して、「次はイーデザイン損保に乗り換えよう」と思っても基本的に自動継続特約を外すことはできません。保険満了日前の約1ヶ月~2ヶ月の間は自動継続を停止する手続きが可能になるので、それまで待つ必要があります。
以上、チューリッヒのネット専用自動車保険の補償内容・特約の一般的な選び方について書かせていただきました。契約を検討している人の参考になれば嬉しいです。
ちなみに私が実際にチューリッヒの自動車保険で事故対応を受けたときの体験談はコチラの記事に書いていますので、参考にしてみて下さい。
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