米国株式市場の投資可能銘柄のほぼすべてに投資が可能な楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)。
人気だけでなく実力も兼ね備えた投資信託ですが、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)とどちらを積み立てようか迷っている人も多いのではないでしょうか。米国株投信では絶対に最有力だもんね。
もはやこの2つで迷っている時点で投資の勝ち組になれることはほぼ確定だと思いますが・・・(*^^*)
この記事では一応2つの商品を比較し、どちらがオススメか結論を出したいと思います。
楽天・全米株式(楽天VTI)とはどんな商品?
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)は米国株式市場の動きをとらえることを目指して、CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目標として運用を行います。
一言で言うとアメリカ株全部に投資できるよってこと。
2018年4月時点で、投資銘柄数は3,603と、NYダウ(銘柄数30)やS&P500(銘柄数500)を遥かに上回り、幅広い企業に分散投資することができます。
組入上位10銘柄(2018年4月時点)
銘柄 | 業種 | 比率 |
---|---|---|
アップル | テクノロジー | 2.8% |
マイクロソフト | テクノロジー | 2.6% |
アマゾン | 消費者サービス | 2.4% |
フェイスブック | テクノロジー | 1.5% |
JPモルガン・チェース | 金融 | 1.4% |
バークシャー・ハサウェイ | 金融 | 1.3% |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | ヘルスケア | 1.2% |
エクソンモービル | 石油・ガス | 1.2% |
アルファベット INC-C | テクノロジー | 1.1% |
アルファベット INC-A | テクノロジー | 1.1% |
大型株ほど組入比率は高まるので当然ですが、アメリカにまったく興味ない人でも知っている企業の名前がずらりと並んでいますね。(アルファベットは検索大手のグーグルを運営している会社です)
とはいえ楽天VTIの3000銘柄以上の投資先には大型株から小型株まで多く含むので、これから先の大きな成長が見込める企業もたくさん入っていますよ(*´∇`*)ちなみにセクター別の構成比はコチラ。
金融 | 20.5% |
---|---|
テクノロジー | 19.3% |
消費者サービス | 13.3% |
資本財 | 13.1% |
ヘルスケア | 12.6% |
消費財 | 8.1% |
石油・ガス | 6.0% |
公益 | 2.9% |
素材 | 2.5% |
通信サービス | 1.7% |
その他 | 0.0% |
楽天VTIは米国株ETFである、バンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI)だけを投資対象としています。そのためもし一括投資するなら米国株ETFを直接買い付けた方がトータルコストが安い可能性もあります。
ただ楽天VTIの信託報酬は年率0.1696%と、国内の投資信託としては最安の水準にあるので、普通に積立投資する日本人なら楽天VTIを選んだ方がお得になります。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)とはどんな商品?
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は名前の通り、SP500指数(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果を目指すファンド。
知っている人も多いと思いますがS&P500は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している銘柄から時価総額ベースで代表的な500銘柄の株価を基に算出される指数。VTIと比較すると大型株ばかりで構成されているのが特徴です。
組入上位10銘柄(2018年6月時点)
銘柄 | 業種 | 比率 |
---|---|---|
アップル | テクノロジー | 4.09% |
マイクロソフト | テクノロジー | 3.28% |
アマゾン | 消費者サービス | 2.82% |
フェイスブック | テクノロジー | 1.98% |
JPモルガン・チェース | 金融 | 1.58% |
バークシャー・ハサウェイ | 金融 | 1.52% |
エクソンモービル | 石油・ガス | 1.48% |
アルファベット INC-C | テクノロジー | 1.42% |
アルファベット INC-A | テクノロジー | 1.42% |
ジョンソン・エンド・ジョンソン | ヘルスケア | 1.38% |
見ての通り、上位銘柄はVTIとほとんど同じ。全体的に少しだけ比率が高いかなって感じ。あとで比較をしますが、VTIとS&P500は値動きもかなり似てきます。
500銘柄という数字はVTIに比べると少なく感じますが、十分に分散されていると言えそうですね。
信託報酬は年率0.1728%(税抜き0.16%)と、こちらもかなり楽天VTIに近い数値。eMAXIS Slim(イーマクシススリム)シリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けるファンド」と謳っている通り、他社の類似商品よりも信託報酬を安く設定します。
S&P500指数に連動するインデックスファンドでは「iFree S&P500インデックス」が信託報酬最安の0.243%(税抜き0.225%)だったんですけど、スリムSP500の登場によって投資家はより低コストなファンドを選択できるようになりました。
スリムSP500は現物株運用ですが、S&P500に連動する米国ETFはVOO、SPY、IVVとあるので一括投資する場合はそちらの方が割安です。
とはいえ楽天VTIと同様、積立投資する日本人の場合は購入手数料無料(ノーロード)のスリムSP500の方が低コストで運用できることが多いはず。
楽天VTIとSlim米国株式(S&P500)を比較
楽天VTI | SlimS&P500 | |
---|---|---|
投資対象 | 米国株ほぼすべて | S&P500 |
信託報酬 | 0.1696% | 0.1728% |
運用方法 | ETF運用 | 現物運用 |
運用会社 | 楽天投信投資顧問 | 三菱UFJ国際投信 |
信託報酬ではeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が若干負けています。しかしSBI証券で購入する場合はポイントの還元率が楽天VTIが0.03%、スリムSP500が0.05%なので、ポイント還元を含めるとスリムSP500が上回ります。その程度なのでまあ大きい差はないかも。
楽天VTIもスリムSP500も運用期間がまだ短いので、米国バンガード社のVTIとブラックロック社のIVV(S&P500に連動)とで値動きのチャート比較をしてみましょう。ベンチマークは同じなのでおおいに参考にできると思います。
青がVTI、オレンジがIVV(SP500)で、2002年から2018年までの16年間分の長期チャート。どちらも同じような値動きで大きくリターンを上げていますが、VTIが206%でIVVは180%とそれなりに差はついています。
あとは運用会社の比較となります。楽天はもちろん巨大企業ですが、実績や歴史でいうなら三菱UFJ国際投信がずっと上。
ただeMAXIS Slimシリーズは三菱UFJ国際投信としても明らかに利益が少ない商品で、当面は大丈夫だと思いますが、長期的に見て存続していくかはちょっとわかりません。
スリムシリーズは他社の低コストに対抗して仕方なく安く設定して、他の商品で利益を取っているような感じだもんね。このあたりについては別記事で書いているので良かったら読んでみて下さい。
関連記事

逆に楽天投信投資顧問からすると楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)は間違いなくノーロードインデックスファンドの看板商品で、繰上償還などのリスクは低いといえます。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)も投資家から人気がありますが、世界分散させるよりもアメリカ一本の方がパフォーマンスが向上するという考え方が最近主流になりつつあります。今後も楽天VTIが楽天バンガードシリーズの中心となることは間違いないでしょう。
運用会社としては三菱の方が安心感は高いけれども、商品の位置づけなども含めると楽天の方も良いかも・・・。こんな感じで比較が非常に難しい両商品なのです。
楽天VTIとSlim米国株式(S&P500)はどっちがオススメ?
で、結局どっちがオススメなのか、という結論ですが・・・私が今から積立を始めるなら楽天VTIかなって感じです。
理由は直近の過去の長期リターン実績が上回っていること、この一点のみ。
もちろん過去の実績がすべてではないので、これから先はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の方がリターンで上回る可能性もあります。正直どちらも良い商品で選べないので、おまじない的に過去のリターンを信じているに過ぎません。
個人的な気持ちとしては大型株のみで構成されているeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の方が安定感があるのかなと思いますが、チャートを見る限り値動きの大きさには大差なさそうですよね。
小型株が含まれていると上昇相場に強く、下落相場に弱いイメージがありますが、リーマンショックあたりの値動きを見ても別にS&P500と変わらないし。
っていうか、どちらも良い商品なので迷ったら両方買っとけば良いんじゃないかなって思います(*´∇`*)多少はリスク分散にもなりますしね。
以上、「楽天・全米株式(楽天VTI)とeMAXIS Slim米国株式(S&P500)を比較」でした。
コメント