【楽天レバナス】iFreeレバレッジ NASDAQ100は信託報酬を値下げする?

投資信託
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(この記事はYouTubeにアップした動画の書き起こしです)

こんにちは、かおるです。iFreeレバレッジNASDAQ100にライバルが現れました。それは楽天レバレッジNASDAQ100という商品です。基本的な商品設計は同じで、信託報酬だけ安いので、このままでは多くの投資家は楽天レバナスを買うようになると思います。ジェネリック医薬品みたいなものですからね。さて、このピンチにiFreeレバナスはどうするのでしょうか?この動画ではiFreeレバナスが値下げをするかどうかを焦点にお話していきます。

値下げするとどうなる?

前回の動画では、「iFreeレバナスを運用している大和アセットマネジメントは、最近あんまり値下げ競争に参加しているイメージがないので、値下げはしないんじゃないかなぁ」というお話をしました。今回はこれをもっと掘り下げていきます。まず値下げをするとどのくらいのダメージが大和に生じるかを見てみましょう。投資信託を保有すると信託報酬というコストがかかりますよね。これは「年間で保有している投資信託の金額から信託報酬の分だけ差し引きますよ」っていう手数料です。多くの投資信託を無料で売買できるのは、この信託報酬があるからなんです。で、投資家から集めた信託報酬は、委託会社と販売会社と受託会社で分けることにことになります。委託会社というのは、要するに運用会社のことで、「この株を買ってこの株を売る」みたいに、実際に運用をする会社です。今回で言うとiFreeレバナスを運用している大和アセットマネジメントになります。販売会社というのは、楽天証券とかSBI証券みたいな、投資家が投資信託を購入するための窓口になる会社で、受託会社というのは財産の保管とか管理をする会社です。この3社で信託報酬を分けるんですけど、その配分は商品によって違っていて、投資信託の目論見書を見れば必ず書いてあります。こちらはiFreeレバナスの目論見書に書いてある3社の配分です。委託会社である大和アセットマネジメントが受け取るのは年率0.435%となっています。現在のiFreeレバナスの純資産総額は、動画作成時点で1,385億円なので、この商品だけで6億円の売上が見込めることになります。もちろん純資産額は増減するので、これは動画作成時点での数字を基準とした売上です。ちなみになんですけど、現在の低コストインデックスファンドの覇者であるeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、委託会社の取り分が年率0.033%程度しかありません。信託報酬自体が激安なので仕方ないですけど、iFreeレバナスの0.435%と比較するとかなり少ないですよね。なので、純資産額は7,219億円で国内トップクラスですけど、三菱UFJ国際投信がSlim米国株から得られる年間の売上は、2億4,000万円程度しかありません。純資産額ではまだまったく及びませんけど、売上では6億のiFreeレバナスの方が遥かに大きいんです。こんな凄い商品だからこそ、楽天もパクリ商品を出してきたわけですけど、iFreeレバナスとの信託報酬の差は税抜0.2%あります。仮にiFreeレバナスが楽天レバナスに対抗値下げをして、委託会社と販売会社の取り分が0.1%ずつ下がったら、大和アセットマネジメントの受取は0.335%になります。これでは6億円の売上が4億6,000万円に減ってしまいます。そこそこのダメージですよね。信託報酬というのは投資信託を長期で保有している投資家から、継続的に徴収できるサブスクみたいな売上なので、現状で利用者がたくさんいるのに値下げをするというのはすごく難しいんです。逆に新規で設定するファンドとかまだ純資産総額が少ないファンドは、失うものが少ないので、思い切って安い信託報酬で設定することができます。先行者利益が働かないというのは結構おもしろい世界ですよね。対抗値下げをすれば売上はかなり下がりますし、しかもその値下げも同率だと、結局新規の投資資金はある程度楽天に流れてしまう可能性もあります。かといって、楽天より安くすると、対抗で値下げをされて、泥沼化する可能性もあります。一切値下げをしなければ新規はほぼ取られる覚悟でいる必要がありますし、大きく利益が出ていない現役ホルダーも乗り換えてしまうかもしれません。はっきりいって、何をやっても良いイメージが湧かないですよね。今、大和アセットマネジメントの担当者は、Lが名乗り出た後の夜神月君みたいになっているのではないでしょうか。ただこういうことは投資信託業界において、過去に何度もありました。そしてその度に、各会社はいろいろな対応をしてきました。そこでここからは、投資信託今昔物語として、何年か前の低コスト競争のお話をしていきます。過去の歴史から今後の動向のヒントがもしかしたら掴めるかもしれません。

投資信託今昔物語

少し前までは今みたいに、全米株とか全世界株に連動する低コストのインデックスファンドはなくて、外国株といえば先進国株式に連動する商品が主流でした。元々は「SMT グローバル株式インデックス・オープン」という商品がトップに君臨していて、その信託報酬は年率0.5%でした。最近投資を始めた人は「普通のインデックスファンドで0.5%!?」って思うかもしれませんけど、8年くらい前まではそれが主流だったみたいです。ただ2013年に「ニッセイ外国株式インデックスファンド」という商品が、低コストを売りに颯爽と登場しました。信託報酬は0.39%です。SMTは一切それに対抗しようとはしないで、0.5%を維持し続けました。SMTだけではなく、当時の二番手のeMAXISも信託報酬は下げません。となると、もちろん新規での投資資金の多くはニッセイに流れることになって、順調に純資産額を増やしていきます。そしてニッセイは2015年に自ら信託報酬を0.24%に値下げをしました。純資産額が増えれば入ってくる報酬も増えるので、ある程度余裕があれば顧客のために値下げをすることもあるんですね。ニッセイの一強時代が何年か続いていたので、王者の余裕というやつでしょうか。ただ、その直後に「たわらノーロード先進国株式」が信託報酬0.225%で登場します。実は私がインデックスファンドへの積立投資を始めたのは2015年の終わり頃で、値下げをきっかけにニッセイに投資をしようと思っていたら、たわらが急に転がってきたので、そちらに投資先を切り替えたのをよく覚えています。ここでニッセイはどうしたかというと、しばらくは放置していました。多分信託報酬の差がそんなに大きくないので、ある程度新規の投資資金は流れても、十分に戦えると思ったんでしょうね。ただそれから10ヶ月後の2016年9月に、「iFree外国株式インデックス」が信託報酬0.21%で登場します。信託報酬に大きな差は開いていませんけど、10ヶ月も経つとたわらにもそれなりの資金が流れていますし、さすがに3番手となると今まで以上に投資家から支持されなくなると思ったのか、ニッセイは2ヶ月後の2016年11月に、信託報酬を単独最安の0.2%に引き下げました。多分ですけど、これはiFreeは予定外だったんでしょうね。たわらに抜かされても動こうとしなかったニッセイだったので、iFreeはしばらく単独トップでいけるつもりだったのかもしれません。ところがわりと早い段階でニッセイに対抗値下げをされて、それにすぐについていかなかったので、ほとんど資金を集めることができませんでした。でも、その3ヶ月後、2017年2月、ついに、業界最低水準の運用コストをめざす「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」が、信託報酬0.2%で登場します。ただ0.2%というのは同率でのトップで、単独トップではありません。でもSlimシリーズの凄いところは、「他社の類似ファンドの運用コストに合わせて、信託報酬を引き下げることによって、その後も業界最低水準をめざし続けるぜ」っていう運営方針を、はっきりと打ち出していたことです。この宣言通り、2017年9月にiFreeが0.19%に引き下げをしたら、同じ日に0.19%に引き下げをして、11月にニッセイが0.189%に引き下げをすることを発表したら、なんとその日が来る前に0.189%に引き下げをしました。他社からしたら恐ろしい作戦ですよね。「Slimシリーズなかなかやるな」という雰囲気がインデックス投資家の間では広がってきていました。ただこの時点では同率値下げをしているだけなので、そこまでの人気は出ていません。というか、目まぐるしく1位が変わるので、みんなどこで投資をすればいいのかよくわからない状態になっていました。「ニッセイでもiFreeでもたわらでもSlimでも、どこでもいいから早く覇権を取ってくれ」という気持ちです。ところがこの後、2018年1月にSBIが新たに「EXE-i つみたて先進国株式ファンド」を、信託報酬0.1095%という、圧倒的に低いコストで出してきました。このファンドは厳密に言うと他の先進国株式とはベンチマークが違ったり、いくつか問題があったので、あんまり人気は出なかったんですけど、この圧倒的な低コストのファンドにも、何のためらいもなくついていったのがSlimでした。そしてその有言実行のSlimシリーズに、多くの投資家の心が動かされました。なぜならこの値下げには半年間、王者のニッセイもついて来なかったからです。正直これはまだ純資産が少なかったSlimだからこそ、思い切った値下げをできたんだと思います。ニッセイはそこまで大きな値下げをしてしまうと、収入が減ってしまうのでかなりためらっていたように感じました。この後、Slimシリーズはそのブランドを確立して、現在ではいろんな投資クラスの商品でトップクラスの資金を集めています。そしてなんとか遅れながら食いついていったニッセイとたわらも、とりあえずその地位を守り抜きました。今は先進国株式だけに絞ってお話しましたけど、この時期は国内株式とか、新興国株式とか、いろんな資産クラスでSlimを中心にコスト競争が発生していたと思います。

信託報酬引き下げについて

この話を聞くと、値下げをするのもなかなか難しいと思いませんか?特にiFreeは、2回くらい単独トップになる信託報酬を設定したんですけど、どちらもすぐに対抗されて、ほとんどまともに戦うことができませんでした。完全に途中から諦めていましたし、こういった経験があるから、大和はiFreeレバナスの対抗値下げも参加してこないような気もするんですよね。そして、このお話のおもしろいところは、一度も値下げ競争に参加していないSMTの強さです。かつての王者だったSMTの現在の純資産総額は1,207億円で、ニッセイの3,476億円を大きく下回っています。でも信託報酬を下げていないので、この商品から得られる売上は、SMTの2億に対して、ニッセイは1億2,000万円しかありません。なんとか値下げに食らいついたニッセイがあまり得をしていない状態になっています。もちろんこれは今後の資金の流出入によって、長い目で見ればひっくり返る可能性は高いです。ただ「すでに純資産額を集めることができているファンドは、下手に値下げ競争に参加しないのも1つの手だな」と思える一例にはなると思います。とはいえ、信託報酬の引き下げを武器に、ブランドの価値を高めて、現在は低コストインデックスファンドの代名詞となっている、Slimシリーズという例もあります。eMAXISシリーズ全体で見ると、合計純資産残高は2兆円を突破して、「薄利多売とはこうあるべきだ」というのを体現しています。値下げをしてうまくいかなかった会社、苦渋の決断で値下げをしてなんとかその地位を守った会社、まったく値下げをしないで結構うまくいっている会社、値下げで天下を取った会社、いろいろなパターンがあっておもしろいと思いませんか?ちなみに、これは少し余談になってしまうかもしれないんですけど、価格競争において、運用会社は値下げをするかしないかだけではなく、第三の選択肢もあります。何かわかりますか?それは自分の会社が出している投資信託と同じ値動きをする商品を、別のシリーズとして信託報酬を安くして販売を始めることです。これを実行したのが実はSlimシリーズです。皆さんeMAXISには「eMAXIS」としかついていない商品と、「eMAXIS Slim」と、名前にSlimがついている商品があるのはご存知でしょうか?例えば先進国株式で言うと、「eMAXIS 先進国株式インデックス」と「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」があります。これはまったく同じベンチマークに連動する商品で、信託報酬だけが違います。「同じ会社から信託報酬だけ違う商品出してどうするの?Slimしか売れないじゃん!」って思いますよね?ただこれは発売された時期が違うんです。実は元々無印のeMAXISシリーズというのは、SMTシリーズと並んで大人気の低コストファンドでした。ただ他の低コストのインデックスファンドがどんどんそのシェアを奪っていくので、三菱UFJ国際投信は思い切った作戦を取ることにします。それは信託報酬最安値を目指し続けるSlimシリーズという新たなブランドを作り上げて、ゼロから資金を集め直す作戦です。無印のeMAXISシリーズはSMTと同じように、すでに大きな純資産総額を集めていたので、引き下げをして売上を下げたくなかったんですね。でも新規で投資資金を集めていくには、信託報酬の引き下げは必須になります。「じゃあどうしようか」「新しいの作っちゃえ」という感じでしょうか。これは当然無印のeMAXISシリーズの保有者から大きな反感を買うことになります。「俺達が今まで投資をしてきた分からは0.6%も取るくせに、新規の商品は0.2%ってどういうことだ」っていう話ですよね。ただSlimシリーズは宣言通り、しっかり他社に合わせて値下げをしていったので、投資家たちも認めざるを得ませんでした。まあこれはかなりの奇策ですけど、もしかしたら「iFree Slimレバレッジ NASDAQ100」みたいな新しい商品を、大和アセットマネジメントが出してくる可能性もあるというです。今回は過去にあった値下げ競争を振り返ってみましたけど、歴史は繰り返すと言います。通常のインデックスファンドはもう値下げされ尽くして、ほとんど下げしろがありませんけど、レバナスのような、まだ下げる余地がありそうで、爆発的に人気があるファンドは価格競争が起こる可能性があります。iFreeは値下げをするのか、他の会社が参入してこないか、注目していきたいと思います。個人的には、もしiFreeレバナスが値下げをするなら、楽天が販売開始する前から下げてしまって、投資家を安心させるのが一番良いとおもいます。良かったらみなさんの予想もコメント欄で教えて下さい。ちなみに前回の動画とかTwitterで一番多く見かけたコメントは、「為替ヘッジなしバージョンで低コストのレバナスを作ってくれ」という要望でした。関係者の方が見ていたらぜひ検討して下さい。このチャンネルでは節約とか投資とかお金に関するお話をいろいろとしています。一緒にお勉強してくださる方はチャンネル登録をよろしくお願いいたします。最後までご視聴して頂きありがとうございました。

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