中田敦彦さんの米国株投資解説は間違いだらけ【YouTube大学】

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先日、「中田敦彦のYouTube大学」というチャンネルで米国株投資の解説をする動画がアップされていました。私もよく米国株をオススメする情報を発信しているので、楽しんでみていたんですけど、気になる点や間違っている点も多く見受けられました。そこで今回は中田さんの米国株投資の動画の間違っている点について、データを用いて具体的にお話していきます。

【株投資①】誰でも稼げる米国株投資〜富裕層になるための鉄則~

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【株投資②】金が金を生む米国株高配当マネーマシンの育て方

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今回指摘する問題点

まずは結論から、中田さんの動画のホワイトボードや解説の言葉を聞いて、問題提起したいのはコチラの項目になります。

  • バフェット太郎さんの投資は堅実でディフェンシブなフォーメーション
  • キャピタルゲインよりインカムゲイン
  • キャピタルゲインを狙うのはデイトレード
  • 米国の一流企業は配当金を出す
  • バフェット太郎さんとたぱぞうさんで言ってることはほぼ同じ
  • アップル、マイクロソフト、マクドナルド、ジョンソンエンドジョンソンは株価が横ばいでキャピタルゲインが得られない
  • SBIヴァンガードS&P500と楽天全倍株式インデックスファンドがETFである

けっこう多いですよね。なんですが、別に私は炎上系YouTuberみたいに批判だけをしたいわけではないので、初めに中田さんの米国株の動画で良いと思った点や、合っている点をサクッとお話していきます。

良いと思った点

  • 米国株がオススメ
  • デイトレードはゲーム
  • 長期はマネーマシン
  • 配当金は再投資
  • 複利で増やす

まず投資をするなら米国株が良いよっていうのは完全に私も同意です。長期で右肩上がりの成長性、年齢別人口の比率、株主への還元など、どれをとっても優位性が高いと考えています。

中田さんのような影響力がある方がこういう発信をすることによって、米国株投資に興味を持つ人が増えていくことは本当に嬉しく思います。

で、デイトレードはゲームで長期投資はマネーマシンという考え方もそのとおりですね。短期トレードで継続的に利益を出し続けることができるのは一部の天才だけですので、凡人は時間を味方につけて資産を雪だるま式に増やしていくのが、最も勝率の高い投資方法になります。

時間をかけるとなぜお金が増えていくのか、それは配当再投資による複利効果が得られるからですね。付け加えるとウォーレン・バフェットさんの名言で、「ゆっくりお金持ちになるのは簡単だけど、すぐにお金持ちになるのは難しい」っていうのはまさにこのことを言っています。

で、最後に言っていた投資の鉄則「軍資金と貯金は分ける」「一気に買わず積み立てる」「上下に動じずマイルール」というのも概ね問題ありません。

ということで大枠としては、とても良いことを言ってるので、投資をこれから始めたい人には参考になる部分も多いと思います。

間違っている点、気になった点

ではここからは私が気になった点を1つずつ取り上げていきます。まずこの動画は中田さんがバフェット太郎さんという方の「バカでも稼げる米国株投資」という本を読んでお話をしています。そのためバフェット太郎さんの言っていることをすべて鵜呑みにして、お話してしまっている印象があります。

バフェット太郎さんはディフェンシブで堅実?

まず、バフェット太郎さんの投資について、「堅実なんです」と言ったり、「ディフェンシブなフォーメーション」と表現していますが、本当にそうでしょうか?

確かにバフェット太郎さん自身は、不況に強い株を多めに入れていると言っていますけど、直近の株価の下落局面では、市場平均とさほど変わらずに落ち込んでいると私は思います。

バフェット太郎さんのポートフォリオは10種類の米国個別株を、均等に保有するものなんですけど、こちらはそのバフェット太郎さんのポートフォリオと、アメリカ株式市場の平均であるS&P500指数に連動する投資商品のIVVを比較したグラフになります。

データが取得できる一番古い2009年から2020年5月末までのチャートで、青がバフェット太郎さん、赤がS&P500指数です。

これを見ると、例えば記憶に新しい2020年3月のコロナショック、毎日のように株価の下落のニュースが流れていましたので、当然S&P500は20%くらい、大きく下落しています。一方で、ディフェンシブなはずのバフェット太郎さんポートフォリオも、17%くらいは下落しているんですね。

2018年の12月とか2月とかの大きな下落局面を振り返っても、S&P500より少しは下落率が低かったり、高かったりするんですけど、同じような値動きをしているとデータを見た上では感じます。

一方でこの11年間のリターン(Final Balance)に関しては、バフェット太郎さんが3倍程度なのに対して、S&P500は4.2倍以上と大きな差が開いてしまっています。1000万円投資をしていたと仮定すると、3000万円になっているか、4,200万円になっているか、大きな違いですよね。

このリターンの差っていうのはディフェンシブかどうかには関係がないので余談になるんですけど、過去のデータを見る限り、下落するときにはわりと同じくらい下落して、長期的なトータルリターンでは劣後している、ということは絶対に知っておいたほうが良いかと思います。

じゃあ中田さんが言うようなサッカーに例えると、ディフェンスが7人いるようなフォーメーションをイメージした、ディフェンシブなポートフォリオって何だって言うと、それはポートフォリオに債券を含めることです。こんな怪しいやつが言葉だけで説明しても、なんの説得力もないと思うのでデータで示します。

こちらはさきほどと同じデータに、3つめのポートフォリオとして、S&P500に60%、長期債に40%投資したときのデータを加えています。ぱっとみた感じで、債券入りのポートフォリオはデコボコが小さいのがわかりますよね。値動きの大きさを表す、標準偏差(Stdev)の値も、他と比べて明らかに低くなっています。

もちろん債券は基本的に株式よりも長期で保有したときの期待リターンは低いので、他のポートフォリよりもリターンは少ない期間が多くなっています。それでも、この11年間のリターンでは、バフェット太郎さんのポートフォリオを最終的には上回ってきています。リターンはたまたまコロナショックの後で、一時的に逆転しているだけかもしれませんけど、ディフェンシブという意味でどちらが上かは明白だと思います。

キャピタルゲインとインカムゲインの認識

では次に、「キャピタルゲインよりインカムゲイン」とか「キャピタルゲインを狙うのがデイトレード」とか「米国の一流企業は配当金を出す」と言っていたことについて、これは明確に否定しておきます。

米国企業は株主に還元するというお話をしましたけど、これは必ずしも配当を多く支払うというだけではないんですね。自社株買いをすることだったり、設備投資でお金を使うことも、株価が上がることに繋がって、結果的に株主に還元されているんです。先程と同じポートフォリオ同士を、インカムゲインで比較してみましょう。

バフェット太郎さんは高配当株、要するにインカムゲインを重視して銘柄を選んでいるので、S&P500よりも多くの配当を受け取ることができているのがわかります。

でもさっき見たように、そのインカムゲインをプラスしても、S&P500よりリターンは遥かに低いんです。これはこの期間における値上がり益、つまりキャピタルゲインがS&P500より圧倒的に劣っているからです。

もちろん「だからキャピタルゲインが優れているんです」っていうつもりはまったくなくて、優良企業でも配当を出すかどうかっていうのは、会社の方針によるところが大きいので、「インカムゲインだけを重視して投資をするのは良くないですよ」、「長期投資でもキャピタルゲインを意識して投資をしましょうね」というお話です。

例えば時価総額でトップクラスのアマゾンやグーグルは、誰もが認める超一流の企業ですけど、今の所、配当は出さない方針を貫いています。

もう少し細かいことをいうと同じリターンが得られるなら、配当を貰うよりも株価が上がってくれたほうが、投資家にとっては税の繰延ができるぶんお得になるんですけど、これはもっと説明が長くなるのでまたの機会にしておきます。

バフェット太郎さんとたぱぞうさんは同じ?

で、次、「バフェット太郎さんとたぱぞうさんで言ってることはほぼ同じ」という部分について。確かに米国株の長期投資をオススメしているという根幹部分は同じかもしれないですけど、個別株を自分で組み合わせるバフェット太郎方式と、市場平均に連動するETFを買い付けるたぱぞう方式では、リスクや必要な勉強量がまったく異なってきます。

中田さんの動画ではバフェット太郎さんの話の方が多くて、見た人が「バフェット太郎さんの本だけ読めばいいか」って思ってしまうかもしれないので、はっきりと言っておきます。投資初心者にオススメするのは、絶対に市場平均に連動する商品を買い付けていく方法になります。

「バカでも稼げる」っていうタイトルは、どちらかというと、たぱぞうさん方式のほうが当てはまるので、この2冊の投資方法が同じだと勘違いはしないようにして下さい。

株価が横ばいでキャピタルゲインが得られない

で、次「アップル、マイクロソフト、マクドナルド、ジョンソンエンドジョンソン、スリーエムは株価が横ばいでキャピタルゲインが得られない」という発言について、これに関しては無知にもほどがあります。

米国株投資に関する情報を発信して良いレベルの知識の人間とは思えません。それくらいひどいです。

中田さんがオススメするように長期投資をすると仮定して、過去20年間のそれぞれのチャートを見てみましょう。

【アップル】

【マイクロソフト】

【マクドナルド】

【ジョンソンエンドジョンソン】

【スリーエム】

小学生でもわかりますよね、長期的に見て株価ははっきりと右肩上がりです。これが横ばいに見える人間は眼科に行くか、スマホを傾けて見ていないか確認をして下さい。

一番上昇率が低そうなジョンソンエンドジョンソンでも3倍近くには上昇しています。キャピタルゲインが得られないわけがないですよね。こんなのはわざわざチャートを見なくても、米国株投資をしている人間なら全員おかしいって気づくようなレベルの恥ずかしい失言です。

中田さんほどの登録者がいるチャンネルなら、アップする前にチェックする人とかが気づかないといけないと思います。

投資信託をETFと言っている

で、最後、SBIヴァンガードS&P500と楽天全米株式インデックスファンドがETFのように紹介されている件について、これも明らかな間違いです。この2つは投資信託であって上場していないので、リアルタイムでの売買はできません。

ETFと投資信託の違いについては別の記事でお話しているので、興味のある人はこちらを見て下さい。

まとめ

ということで中田さんの米国株投資の動画について、間違っている点をお話させていただきました。いろいろ否定的な発言をしましたけど、私自身米国株に長期投資をしていますし、それが万人にとって資産を増やす最適解だという考えは共通しています。

そしてバフェット太郎さんのポートフォリオが悪いと言いたいわけではありませんし、今後の20年間で市場平均を逆転する可能性だってもちろんあると思います。

ただインフルエンサーである「中田さんがいってるから正しい」「バフェット太郎さんが投資してるから自分もこの銘柄に投資をしよう」っていうのは絶対によくないので、いろんな考えを見て、聞いて、自分で勉強した上で投資する商品を選ぶことをオススメします。

私は中田さんのように影響力はありませんし、You Tubeで成功できるようなトークスキルもありませんけど、低年収でもコツコツ資産を増やす方法を実践して、少しずつ金融資産を増やしていっています。そしてその中で体験したこととか、勉強したことをこのブログで発信しています。最後までお読みいただきありがとうございました。

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